サラリーマン人生で、ヘッドハンティングされることほど名誉なことはないですよね。私も一度はヘッドハンティングされて見たいと思う今日この頃。

実はヘッドハンティングされるには、ある法則があるというから驚きだ。

長年、「 日本の働き方 」のモデルとなっていた終身雇用や年功序列が崩壊し、ビジネスパーソンのキャリア形成にも変化が見え始めている。

キャリア形成のひとつの手段として、「 転職 」がもはや当たり前のようになっている今、「 ヘッドハンティング 」という言葉も身近なものになってきた。

とはいえ、まだまだ謎に包まれた部分が多い「 ヘッドハンティング 」。ヘッドハンティング市場では今どんな人材が求められているのか?そして、もしあなたが転職を考えているとしたら、どうすればヘッドハンターの目にとまりやすくなるのか?

今回は、『 トップコンサルタントが教える本気の転職パーフェクトガイド 』(新星出版社)や『 カリスマ転職コンサルタントが40代、50代で希望の転職を実現するノウハウを公開 35歳からの「 人生を変える 」転職 』(秀和システム)などの著者で、人材紹介やビジネスマッチングなどを行う株式会社morichの代表取締役・森本千賀子さんにヘッドハンティングの基本を聞いた。

ヘッドハンティングはひとつじゃない!

さっそく話を聞いていこうと思ったが、「 どこまでをヘッドハンティングとするかにもよりますが、前提として、よく言われるヘッドハンティングにはいくつか種類がある 」と森本さん。そこで、その種類から教えてもらうことにした。

(1)一般的なヘッドハンティング
「 企業から『 こういう人をスカウトしたい 』と依頼を受けて、ヘッドハンターが企業のニーズに軸を置いて限られたターゲットの中から探す方法です。『 ○○企業の××さん 』や『 こういう業界のこういうことやっている人 』など、明確にターゲッティングされ、多くの場合、十数人程度に絞られます 」(森本さん、以下同)

(2)ダイレクトリクルーティング
「 簡単に言えば、企業と転職希望者が直接やりとりする方法のことです。最近では、『 ビズリーチ 』や『 リクナビNEXT 』などの転職メディアに登録し、その登録者の中から企業側が欲しい人材を探し出し、『 興味があるから面接でも 』と企業が直接呼びかけるケースが増えています 」

(3)転職エージェント
「 転職エージェントとは、“企業”と“転職希望者”の間に立ち採用が成立するように支援する代行者。企業と転職希望者の間にエージェントが立って、企業側のニーズと、転職希望者両者の希望に基づきマッチングし、採用支援・転職支援を行います。

企業と転職希望者両方の立場に立ってマッチングを行いますが、大手人材紹介会社の場合は登録いただいた転職希望者の中から、中小エージェントや個人でやっているエージェントの場合は、基本的にはエージェント個人のネットワークを使って探します。
ただ、そのネットワークで探しきれない時には、『 ビズリーチ 』や『 リクナビNEXT 』などを活用して登録されているビジネスパーソンにアプローチします 」

このように、ヘッドハンティングには様々な方法があり、また、ヘッドハンターとして活動するための条件や規制が緩和されたことも相まって、その間口は広がっているという。

「ミドルマネジメント層」を求める企業も増えている

ヘッドハンティングは、たとえば「 今の取締役をリプレイスしたい 」といったように、現任者がいる状況で内密に進めなければいけないため、現実的にはどれくらいの人がどの程度ヘッドハンティングされているかなどの詳細データは不明だ。

ただ、これまでの「 一部の外資系企業や大手企業がトップにふさわしい人材を引き抜く 」というイメージが覆りつつあり、現在では執行役員や部長、事業部長など、いわゆる「 ミドルマネジメント層 」を求める企業も増えているのだとか。

「 近年、大手・中堅企業などによく見られるヘッドハンティングの目的として、『 チェンジマネジメント 』というものがあります。今までの事業、経営手法では成長に陰りが見え、大きく舵を変えたい時に新規事業や海外展開などを計画する。

そのため転換期に戦略を立てるだけでなく、より具体的に戦術やミッションを遂行でき、場合によっては自ら先頭で旗振りしながらも組織改編や組織構築できるミドル層の人材のほうがニーズは高くなっています 」

「即戦力」以上に「変化対応力」

先述のように、中途採用市場としては内密に進めたりそもそも上場会社も少なかったり、開示されているデータが多くない。過去のマーケティングがあまり通用せず、将来のシーズ(技術やノウハウ)やニーズを読みながら旬をとらえていくため、今後、どの業界が活発になっていくかを明言することは難しいと森本さん。しかしながら、「 求められる人材については、全体的な傾向がある 」と話す。

「 全体的な傾向としては、少し前までは業界経験者が優遇されていました。つまり、その業界のことをよく熟知し、経験してきている、即戦力になるような人です。しかし今はむしろ経験者だと先入観を持ってしまい、固定観念が邪魔してしまうので、“新しい風”を吹かせるのにはむしろ異業界の方を歓迎する傾向があります。

業界経験以上に変化対応力を求められているのです。もちろん、最低限必要なスキルなどは求めますが、今後AIやロボットが人間にとって代わることを考えると、数十年にわたりひとつのことだけをやってきた人よりも、様々な業界や業種を経験してきた選択肢の多い人の方が活躍のフィールドは広くなると感じます。最近よく出てくる理想の人材像の一人として“大谷翔平選手”というキーワードも。いわゆる二刀流やマルチタスクプレーヤーが求められています 」

ヘッドハンティングする際に重要視されるのは、「 変化対応力 」とのことだが、もう少し詳しく説明してもらった。

「 一緒に働く仲間も環境も変わる、ましてやマーケットもどんどん変化・進化していく中、いかに変化に対応できるかというのはとても重要なコンピテンシーです。変化対応力の有無は、履歴書・職歴書を拝見した時点でおおよそわかります。

キーワードのひとつは、『 部署異動 』。部署異動は、いわば小さな転職。人間関係をまたイチから構築するというのは、本人にしてみれば大変なことです。

2つ目は、『 地方転勤 』や『 海外赴任 』。地方拠点の場合、あるひとつのプロダクトやサービス特化というより全方位でソリューションする必要があります。

本社で一部門、ひとつのプロダクトだけを売っていたというより、お客様の真の課題に向き合いながらトータルでソリューションすることのほうがよほど力がつきます。海外に至っては職場の環境だけでなく、言葉も価値観も法制度も変わるわけですから、これを乗り越えられたのなら変化対応力に直結します。

たしかに、『 ずっと同じところで何年も 』という積み上げのキャリアは、数十年前なら評価されたかもしれませんが、今では『今さら部署や会社が変わってもなじめない』と思われてしまう可能性大。どんな環境でも最善を尽くせるメンタリティが大事です」

このほかにも、グループ会社や子会社への出向、社内の横断プロジェクトのリーダー、管理職、社内ベンチャー、副業などもキーワードとしてプラスの評価になりやすいそうだ。

ヘッドハンティングされたいなら〇〇せよ!

ヘッドハンティングの種類や最近の傾向など、基本はなんとなくわかってきたが、一番気になるのは、「 どうすればヘッドハンティングされるか 」ではないだろうか? そこで、やっておくと可能性が広がることを聞いた。

「 まず、自分がどこのフィールドにいれば強みを最大限に発揮できるかなど、『 自分のキャリアの棚卸し 』をしておくこと。そしてSNSや『 LinkedIn 』、『 Eight 』といったビジネスツールを活用するのもいいですね。自分の強みを発信し、『 見つけてもらう努力 』をすることで、ヘッドハンティングの基本となる『 人脈の輪 』に入ることができます 」

最後に、森本さんはビジネスパーソンの心構えについて以下のように話す。

「 今では、『 自分のキャリア開発は自分で 』というのが主流。いつ会社が競合や外資系企業、投資ファンドなどに買収されるかも、親会社や株主が変わるかもわからず、ましてや業種や業態も変わらざるを得ない時代だからこそ、リスクを取らないことがリスクになることもあります。
『 今やっている仕事がAIやロボットに置き換わっても、BやCという選択肢がある 』といったように、選択肢を持って、準備しておくことが武器になります 」

もちろん、ヘッドハンティングされたいと思ってどうにかなることではない。しかし、森本さんの話を聞いて、少しの意識と努力でヘッドハンティングされる人材になれる可能性は十分にあり得ることがわかった。そのためにも、ヘッドハンティングされるのをじっと待つのではなく、積極的にバリューアップするために行動を起こすことが第一歩のようだ。

2018年6月5日 FNN PRIMEより引用

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