政府が2017年に副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子を発表したことで、今年あたり副業が解禁されるのではないかとの憶測が飛び交っています。

現在、副業を解禁している企業はごくわずかに留まっており、会社公認のもと副業を行っているサラリーマンやOLも数えるほどです。そんな中、会社公認のもと堂々と副業に勤しんでいる方がいらっしゃるということで、お話を聞くことができました。

福島さん52歳代は、20年以上一つの会社で接客業に従事されてきました。真面目にコツコツと勤めてきて、今では店舗を巡回して回る CS 担当のチーフという職に就いています。CS とはCustomer satisfactionの略で、直訳すれば顧客満足度のことを表しているようです。

この仕事は、各店舗を回って自分も接客をしながら、「 もっとこうしたら良くなるよ 」というようなアドバイスを直接スタッフにしたり、スタッフの指導で困っていることを店長からリサーチしたりする仕事です。

52歳代接客業のプロが挑んだセミナー講師の副業

2ヶ月に1回は CS に関するミーティングを行ったり、希望者を募って接客の勉強会やロールプレイングなども行っています。他の会社ではどのような研修システムがあるのかを勉強したくて、会社の許可を得て異業種交流会などに参加するようになりました。そこで知り合ったセミナーの先生達と親しくさせていただき、思いもかけないお誘いをいただくようになったのです。

それは長年培ってきた接客のノウハウや、接客にかける熱い思いをセミナーでお話してほしいという依頼でした。

もともと人前で喋ることは好きな方だったので、会社の承諾を得てそれらの副業をいくつかお受けすることにしました。報酬はまちまちです。半分ボランティアのような講演会もありましたし、1時間お話しただけで1万円という高い報酬をいただいたこともあります。

なので単純に時給換算できないような副業とも言えます。

一番いい思い出になったのは、接客業を目指す学生に向けた大学での講師体験でした。ここでは金額について言えないのですが、大学ではどんなに有名な講師でも、私のようなペイペイでも報酬額は一定という決まりがあるようです。 あくまでも本業ありきなので、都合の良い日にちと時間帯で副業の依頼を受けるようにしていました。平日の依頼が多かったことも、自分の仕事に合っていたと思います。

副業するにあたり心配だったこと

勤める会社の許可が得られるかどうかが一番心配でした。内緒で副業を行うこともできましたが、異業種交流会では名刺を交換することは必須で、ばれてしまうのも時間の問題でした。

また講演を受けるからには自分の身元をはっきりさせる必要があり、そのためには会社名を公表しなくてはいけません。

勤める会社の上司や広報担当者と綿密な打ち合わせを行って、慎重に事を進めることを意識しました。

今では会社も積極的にバックアップしてくれるようになり、「 接客業を目指す若者が増えればいいね 」「 うちの会社にも夢を持ったいい人材が入ればいいね 」というふうに言ってくれています。

結果として会社に貢献できたことは、何より嬉しかったです。

副業してみて大変だったこと

講演の副業は、何よりも事前準備が重要です。制限時間内にどれだけの話を盛りこむか?ターゲットはどのような人たちなのか?飽きないように時々脱線して話を膨らませながら、聞く人の気を引かなくてはいけません。ストップウォッチで時間を測りながら、家で一人で何度も練習を行いました。

本番では台本をずっと見るわけにはいきません。箇条書きにしておいて、その場の状況に合わせて話す内容を臨機応変に組み立てていきます。

自分がどのように見られているか、練習風景を動画で撮影したこともありました。ほとんどの講演では時間があっという間に過ぎてしまうことが多いです。あれも話したかった・・・と悔やむことの方が多くて、毎回反省の繰り返しです。

講演の感想をアンケート形式で集めてくれる場合もあります。

八割方はお世辞でも良い意見を書いてくれるのですが、残り2割の率直な意見にはいつも感心させられ、傷ついたり次の励みになったりしています。

本番で喋ることができないとお仕事にならないので、体調管理にはそれまで以上に注意しました。

特に喉を使うので、副業を始めてから喉専用の加湿器を購入しました。

ちなみに講演時の勝負服はいつも同じスーツと決めています。ジンクス的なものもありますが、スーツまでこだわってしまうと副業で得たお金が毎回赤字になってしまうからです。

今まで一番嬉しかったことは、自社の新入社員歓迎会の時に一人の女性が私の元に駆けつけてきてくれたことです。「 大学での講演でとても感銘を受け、ここの会社に入ろうと決意しました。お会いできて光栄です。これからよろしくお願いします。」と挨拶をされ、あの時大学で講演した生徒のうちの一人だということを知りました。

一人の女の子の人生を私の副業によって左右したんだと思うと、責任を感じると共にやって良かったとしみじみと思った出来事でした。 

セミナーの副業をする人へのアドバイス

一般の求人誌で募集されているような副業ではないですが、積極的に異業種交流会などに参加することで、思いもかけない依頼を受けることがあります。副業の方法は本当に様々なのだと思いました。

最初は「 私なんかが講師なんて・・・ 」とかなり躊躇しましたが、「 やってみる! 」という気持ちが何より大事だと思います。好奇心もありましたし、失敗してもいい人生経験だと思ったからです。

そして必ず自分の仕事に生かすことができるという思いがありました。もしも、今勤める会社以外の副業に興味を持っている人がいれば、相乗効果で両方スキルアップができる副業を選ぶことをお勧めします。それは報酬よりも代え難い財産になります。

また本業の会社の理解もとても大切でしょう。畑違いの副業であれば別ですが、少なからずどこかで繋がりがあるだろうと思われる副業をする場合は、後からバレるととても厄介なことになります。就業規則違反にもなるので、下手をしたら退職勧告をされることも覚悟しなくてはいけません。

副業を会社に理解してもらうためには、自分だけではなく会社にもたらす利益もプレゼンする必要があります。

自分がどんな思いでその副業を行うのか、しっかりとしたビジョンがないと誠意は伝わりません。私の夢は、接客業を目指す若者がもっと増えることと、接客に関する世の中の価値がもっと上がることです。

これからは AI が人間に代わって色々な仕事をしていく時代です。その中で「やっぱり人だよね」と思えるようなポジションを作っていきたいのです。少し大げさかもしれませんが、それぐらいの理念を持って副業を行えば、本業と副業の境目はもっと自由に広がっていくと信じているのです。

会社にバレても怖くない?!OLが堂々と副業をする理由まとめ

会社にバレても怖くない?!52歳代OLが堂々と副業をする理由とはについてまとめてみましたが、いかがでしたか?
彼女のように仕事の延長線上で、副業を頼まれるのもなかなか珍しいケースです。しかも、バレる前に会社に申告してしまうなんて、なかなかできない行動です。バレてからでは長年働いてきた功績が台無しになってしまう可能性さえありますもんね。

副業が解禁されてしまえば、こういうレアなケースも一般的になる、そんな日が近いうちに実現するかもしれませんね。

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