被験のバイトって日給1万円も貰えるけど、人体実験なんじゃないのと疑問に思っている方々は多いのではないでしょうか?
世の中には表に出ない激ヤヴァなバイトや副業が存在していますが、そんなバイトを一度でも経験できた中高年はある意味ラッキー。
どんな人が対象になるのか、実際に体験した人に話を聞いてみたいと長年願い続けてきましたが、このほど被験を体験した50代の主婦に話を聞くことができました。
もちろん、住所も名前も伏せて欲しい条件付きですが。
心理実験のバイトを始めた理由は金欠でなく興味本位
主婦A子が50代を過ぎて行なったアルバイトは、大学の研究のお手伝いをするお仕事。
お手伝いといっても、教授の研究の補助をする専門職ではなく一般の人から公募するいわゆる「被験」と言われるものです。
被験といえば新薬を連想する人もいますが、薬に関わることだけが被験ではありません。
またこれらのアルバイトは求人誌には掲載されることはほとんどなく、大学のホームページにひっそりと募集要項が書かれていたり、実際大学に出向いて雑多に貼られた掲示物の中から被験の募集を探す方法が一般的です。
今回私が経験した大学のアルバイト情報は、自宅にポスティングされていた応募用紙からの応募でした。
心理学実験に関するバイトだったのですが、詳しいことは一切書かれていません。
興味のある方はエントリーをお願いだけで、エントリーした人の中から抽選で当たった人に後日個別にメールが来ることになっています。
実験内容も心理実験だけで、詳細は当日まで教えてはくれません。
また自分がこのような実験に参加することも、一切口外してはいけないことになっています。
時給に関しても、細かい記載はありません。
おおよその拘束されるであろう時間帯と、最低〇〇円以上支払う明記だけで何もかもが闇に包まれたアルバイト。
いざ会場に出向くと、個人情報がしっかり守られていて、同じくバイトに集まっていた同士で自己紹介をすることも世間話をすることも許されません。
与えられた課題を約3時間にわたって黙々と行い、全てが終わった時に手渡しで作業内容に見合った報酬が支払われました。
また「アルバイトの内容は一切口外しない」ことを約束させられ、SNS はもちろんたとえ家族であっても守秘義務を守るよう誓約書に記入。
心理実験のバイトで何をされるのか不明で心配だった
一番の不安は、やはり「どのようなアルバイト内容かが、行ってみるまで分からないことです。
隠しカメラがあって撮られているのではないか?どこかで音声を録音されているのではないか?といった単純な不安から、心理実験だけあって、お互いを攻撃し合う極限状態の実験が行われたらどうしようって恐怖もありました。
私は元々長く販売業に従事していたので、人前で話すことは割と平気だったのですが、そうであっても大勢の前で歌や踊りを披露したり、即興で何かを発表する心理実験だったら、どうしようと言うドキドキもありました。
またチームを組んで協力し合いながら何かをやる実験も、参加者の条件も提示されていませんでした。
ですから、どのような性別・年代・職業の人たちが集まるか分からない中で、うまくやれるかどうかな不安もありました。
さらに輪をかけて、拘束時間がはっきりと定められていないこと、報酬額がいくらになるか終わってみないと分からないことも不安に拍車をかけました。
それにも勝る興味本位があったことが、このアルバイトをやってみようって動機に繋がりましたね。
心理実験のバイトはトイレに行くこともできず苦労した
楽しかったことは、不安だったことと紙一重でした。
つまり行ってみるまで、どのようなアルバイト内容なのか分からないことが、たまらなく不安でもあり楽しみでもありました。
アルバイトの就業規則から、詳しい内容まで口外することはできませんが、人生の中で何かの実験の被験者になったことは、大きな話のネタになるからです。
何か一つのものが発売される前に、もしくは何か一つの研究結果を発表する前に、あらゆる角度からいろんな実験が行われているんだってことを知ることができるだけでも経験になりましたね。
実際に被験の内容も、とても興味深いもの。
何度も同じ作業を繰り返す根気のいる作業もありましたが、その作業の中で自分がどのように感じ、どのような行動を起こすのかを客観的に見ている第三者の自分がいました。
また最終的な報酬額の決め手となる基準が、アルバイト途中で大体分かったので、少しでももらえる額を多くしようと奮闘する自分もいました。
大変だったことは、約3時間の拘束時間の間、一度も席を立つことができなかったので、トイレが近い私は下の心配ばかりを途中でしていました。
結局頃合を見計らって、許可をとって中座してしまいましたが、他にも同じ方がいたので、緊張してしまうタイプの人は少し辛いかもしれません。
身についたスキルは被験内容で得た知識と、自分を俯瞰してみる力です。
心理実験のバイトに挑戦したいなら最寄りの大学で探そう
まず、おおっぴらにアルバイトを募集している職種ではないので、興味がある人は最寄りの大学に足を踏み入れてみることからオススメします。
ほとんどの大学は地元の人たちに開放されているので、自由に出入りすることができます。
大学の掲示板には興味深い募集がたくさん貼られていることに気がつくでしょう。
学生向けに告知されたものばかりではなく、一般の人に向けて広く募集されている案件も埋もれています。
中にはボランティアのものもありますが、今回私が行ったアルバイトのように、それなりの報酬が出るものも見つけることができます。
大学の近くに家がある場合は、ポスティングされているチラシの中に被験の募集が紛れているかもしれません。
また街中で学生がビラを配っていたり、配布されたティッシュの中の広告が被験の募集だったりが稀にあります。
ただし、応募したからといって、必ずしも全員が受かるとは限りません。
実験内容によって被験者の条件があったり、幅広い被験者を集める場合は似通った年代や職種の人を避けるので、興味があるアルバイトにはどんどんエントリーをして分母を広げておくと良いでしょう。
実際の被験内容は行ってみるまで分かりません。
密室で中座することができず、長時間かかるものもあれば、体を動かしたり、他の人とコミュニケーションをとったりアルバイトもあるかもしれません。
そのどれもに対応できるように、当日まで万全な健康管理とフラットな精神状態を保っておいた方が良いでしょう。
そして一番大切なことは、これらのアルバイトには守秘義務が大きく関わってくることです。
SNS で軽い気持ちでバイト内容を投稿してしまうと、思わぬ損害が生じる可能性があります。
その辺の規約を、きちんと守ることができるのが、このアルバイトを行う上での最低条件ですね。
何事にも真摯に取り組むことができる人に、おすすめしたいアルバイトです。
心理実験のバイトはヤバいのかまとめ
最後に要点をまとめておきます。
- 日給は、1日1万円前後
- 拘束時間不明
- 披験・治験=ヤヴァい薬を飲まされる。人体実験ではない
- 雇用契約により、詳しい内容を口外することは不可
体力:
被験の募集はあるのに、実際どんな実験をさせられるのか、内容がなかなか見えてこないのは秘義務に守られているからだったんですね。
基本、健康な体であれば誰でもできるそうなので、暇があれば体験してみてはいかがでしょうか?