
毎月多くの転職相談を受けるのですが、その多くが50代でも転職できますか?という相談です。
50代での転職は実に過酷です。
現在主流となりつつある転職エージェントにはなかなか登録できず、直接応募や自己PR文などのからめ手を使わなければ厳しい状況。
40代以上にゲリラ戦法に頼るしかないのが50代の転職でもあります。ただ、絶対に転職できない再就職できないってレベルではありませんので、悲観する必要はありませんよ。
転職チェックリストで自分の立ち位置を確認しながら、前進んでいきましょう。
目次
50代は転職チェックリストの意味を理解してフル活用
50代の転職は過酷ではありますが、正攻法ではなくゲリラ的な活動をすれば内定を取ることは可能です。
もちろん、長年培った人脈を活かしてのコネ入社や、後輩・元取引先から引き抜かれたケースもちょくちょく聞く話ではあります。
転職には人それぞれ様々な背景がありますから、必ずこの工程を踏まなければならない、必ずやらなければならない作業は少ない。
そういう背景もあってか、転職終盤で何かが抜け落ちていたり、慌てて対処しなければならない事態に陥るんですよね?
私達サラリーマンは常に何らかの行動計画に従って職務を全うするわけですが、転職活動においても何らかの行動計画や工程表を決めておくべきでしょうね。
人間誰しも自分の都合のいいように動く生き物ですから、モレが生じたり活動に偏りが起きるのは当然です。
これまでに転職経験がある50代ならお分かりでしょうが、転職は思った以上に予想外の出来事が起こるため、どんなに効率的に動こうと考えても少しずつ長引いてしまうものです。
その大きな原因は、選考期間。
自分で最大限効率化しても、選考期間だけは効率化できないため確実に長引きます。
在職中には関係ありませんが、私たちのようにリストラされ失業保険に頼らざるを得ない50代は、1日12時間以上を転職活動に割いたと仮定しても、少なくとも3か月から4か月は要すると考えておくべきです。
さらに、支給期間に定めがある失業保険の期日は確実にやってきますから、それまでに内定まで到達する必要があり更に焦るわけです。
よっぽどのメンタル力がある方や、貯金に余裕がある方を除き、多くの50代が精神的に辛い状況下で転職活動を強いられますから、間違っても「こんなはずじゃなかったのに」と後悔しないよう転職チェックリストを活用していきましょう。
50代は転職チェックリスト通りに進め小手技でも攻める
STEP01:転職準備編
STEP01:転職準備では、転職前の計画と情報収集を行います。
転職活動そのものに直接影響がでないため、おろそかにしてしまうと後で痛い目にあうなんてことも!?50代は転職活動を開始する前に、活動を開始してから内定に至るまでの流れを把握する必要があります。
特に、最大活動期間には細心の注意を払ってください。
私のように何度も転職してどうやったら面接に進めるかノウハウが分かっている猛者なら、出たとこ勝負でも乗り切れるかもしれません。
しかし多くの50代が途中で「こんなハズじゃなかった」と私の元を訪れます。
50代が根本的に失敗してしまう理由のが多くが、転職エージェント絡みです。
キャリアコンサルタントに100%委ねれば転職が上手くいくと考えている方が多いのですが、転職エージェント1点攻めではリスクの分散ができません。
しかもです、キャリアコンサルタントの「良い求人が出る時期まで待っていてください」とのアドバイスを鵜呑みにして、のんびり待っている50代も意外と多いんですよね。
ウソのような本当の話、こんな状態で半年待っても1年待っても良い求人だけでなく、1件も紹介してもらえなかったと泣きついてくるわけです。
ですから、50代の転職者希望者は、他の世代以上に転職サイトや転職エージェントをフル活用して情報収集に努めるべきですよ。間違っても、知恵袋や5chで自称採用職の皆さんに、袋叩きに合わないよう気を付けてください。
01:計画を立てる
転職の目的の明確化
転職活動の流れを確認
転職に関する疑問点を解消
スケジュールを立てる
02:目指す方向性を定める
キャリアの棚卸
こだわりの取捨選択
強みを考え適職を考える
03:情報収集を開始する
応募する方向性を定める
転職市場の調査
業界・企業研究
情報チャンネルの確保
STEP02:書類作成編
STEP02:書類作成編では、転職に必要な書類を準備していきましょう。
50代の転職希望者は、メインとなる履歴書と職務履歴書だけでなく、ゲリラ戦法に使用する自己PR文を習得してください。
また面接を担当していて、50代転職者の学歴・職歴の間違い感が違いが多いのには残念に思うことが多いですね。社会に出て素手に30年近くが経過しているわけですから、多少の誤差は想定内です。
曖昧な記憶を頼りに、卒業年月日や入社・退職日を思い出す作業が必要ですからウッカリ計算ミスが起こっても致し方ありません。
ただ、履歴書や職務履歴書は転職先に提出する公文書ですから、最悪の場合、経歴偽装とか職歴偽装と悪名を着せられるハメに陥ります。
双方が年号のミスに気付かなければ終わりよければ何とやらですが、私たちは応募書類を見ていて違和感に気づいてしまいます。
それが面接している最中に見つけてしまうから、悪いことはできないなぁとつくづく思うわけです。
ですから年号の間違いに気づいた場合は、「速攻で書類に不備があった」と電話連絡したうえで書類を再送してください。
私たちは、ウッカりした転職者だなと思うと同時にキッチリ仕事をこなす50代を思い浮かべるので、「とにかく一度会ってみたい」と候補にいれるわけです。
あとは、絶対にバレないと思って使用済の証明写真や切手を使いまわすのだけは、辞めましょう。50代中高年にこれをヤラれると、ゲンナリしますし即お見送りBOXに直行です。
写真は、多少費用がかかりますがプロに撮ってもらってください。プロ撮影とインスタント撮影では雲泥の差ですからね。
01:履歴書の作成
写真を撮影する
入退社の正確な年月を思い出す
履歴書を作成
02:職務履歴書の作成
職歴を整理する
職務履歴書の形式を選択
03:自己PRを作る
過去のクライマックスを思い出す
ストーリーテリング手法を会得
04:応募書類を郵送
誤字脱字の最終チェック
送付状の作成
あて名を書いて郵送
STEP03:面接対策編
STEP03:面接対策編では、書類選考に通過して面接に備える段階に入ります。
面接で一番大切なポイントは、職歴でも志望動機でもありません。実は第一印象の見た目なんですが、50代転職者は特に注意を払うべきですよね。
あまり大きな声では言えませんが、ぶっちゃけ面接官が好きなタイプか嫌いなタイプかで合否が決まります。人の印象の50%は外見で決まると言われているように、身だしなみだけでなく、面接時における声のトーン、しぐさ、くせ、態度は非常に重要です。
加えて言うなら、50代であれば確実に面接官は年下ですから、とっつきやすそうか否かで見られます。
この人は高圧的なしゃべり方をする人だとか、言葉のキャッチボールが成り立たない人であれば、仕事ができる50代だったとしても敬遠します。
しかもです、私達面接官はあの手この手で、転職者のプライドを傷つけるような質問を繰り出しますから、かなりの確率で怒り出す50代がいるわけです。
ですから、面接に臨む場合は、キャリアコンサルタントにお願いして面接シュミユレーションをしてもらうか、家族や友人にお願いすべき。
その際威力を発揮するのが、ビデオ撮影です。私自身も、「こんな恥ずかしい様を誰にも見られたくない」と躊躇していましたが、転職活動の後半はキャリアコンサルタントにお願いしてビデオ撮影を敢行。
ビデオ撮影は、自分では気付きえなかった悪い癖がハッキリ見えます。
ビデオカメラがない場合は、スマートフォンに三脚台を購入して代用してもいいですね。
01:面接での常識とマナーを勉強する
身だしなみをチェックする
直前で怖気づいた時の対処法
02:転職理由等を推敲する
転職理由を考える
志望動機を考える
強みを考える
ストーリーテリング手法を活用する
03:面接のシュミュレーション
面接の流れを理解する
表現やしぐさを意識する
PRポイントを再確認する
逆質問を必ず用意する
STEP04:入退職準備編
STEP04:入退職準備編では、無事面接を通過して内定を獲得した段階に入ります。
最大の山場である面接を終え、ホッとするのもつかの間、転職先での年収交渉や退職を申し出るタイミングをはかったりと気が抜けません。
特に退職は、離婚と同じく人生の中で最もエネルギーを消費する儀式のひとつです。
私も5回以上転職を繰り返してきましたが、この数週間だけは慣れませんよね。法律的には2週間で退職できるとはいうものの、20代30代ではなく流石50代と言われて、いい形をもって退職したいものですよね。
あなたの代わりに誰かを採用する必要があるなら、2か月3か月と時間を要する可能性がありますから、予想して申し出てください。
誰も採用しない場合でも、社内の誰かに引継ぎを行うハズですから、常識の範囲内と言われるよう綺麗に退職しましょう。
退職後も、書類を送ってもらったり総務や人事の人間にはお世話になることが多いですから、間違っても喧嘩別れしないよう気を付けてください。
01:年収交渉を行う
02:円満退職に向け動く
内定通知書を確認する
退職の意思表示を行う
退職日と入社日を調整する
退職願を提出する
お世話になった方々へ挨拶
03:各種手続きを済ます
貸与されたものは返却する
雇用保険や失業保険を確認する
年金と各種税金を確認する
健康保険の手続きを行う
50代転職のやり方はチェックリストと小手技をフル活用
最後に要点を纏めておきますので参考にしてください。
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