「 40歳代以降にもなってリストラされたら完全に負け組だよな 」なんて陰口叩かれたことがありますが、そんな生ぬるいものではありません。

味わってみればわかることですが、リストラされたら生き地獄です。

ある日突然働く場所を奪われる葛藤、日に日に減っていく失業保険給付、探せども見つからない転職先、世の中から必要とされていないと感じてしまう絶望感。失業してしまった1年間は、もはや家庭崩壊寸前でした。

そんな私とは境遇こそ違うものの、以前は化粧品メーカー、現在は人材派遣会社に勤務している五十嵐さん54歳。50歳の頃まで、ある化粧品メーカーに勤めていました。雇用形態としては、正社員登用ありの業務委託契約という形で働いていました。ですから、その時は個人事業主としてこの会社と契約していたことになります。

副業も少しやっていましたが、この会社では業務委託でも正社員と同様の時間拘束があったため、うまくは行きませんでした。営業部にいたので定時に上がるということはほとんどできませんでした。

50歳代で契約解除の通知を受ける

2年ほど勤務していましたが、正社員登用の話は進みませんでした。理由のひとつとしては年々会社の売上が落ちていることがありました。そうこうしているうちに私と同じ頃中途入社した正社員が辞めたり、「 俺もそろそろかな 」という声が社員の中から聞こえ始めてきました。

業績の下降はかなり深刻だったらしく、本社から送り込まれていた社長が交代することになりました。それに伴い、業務委託契約や派遣社員、契約社員は契約を延長されず、人減らしをすることになったのです。ですから私は転職する動機があったわけではなく、やむを得ず転職せざるを得なくなったのです。契約解除の3か月前に通知があったため、転職活動に本腰を入れ始めました。

50歳代での転職サイトは使い物にはならない

転職の手段としてはリクナビNEXTやマイナビ転職などの転職サイトを使っていましたが、私はこの職場以外にも数回転職をしており、転職サイトが実はあまり使い物にならないことはわかっていました。特に40代50代にはほとんど役に立ちません。ですからありとあらゆる知人に声をかけて、転職出来るところはないかと探しました。

結局知人から二つほど転職先を紹介してもらい、そのうちのひとつに正社員として転職することができました。転職先は人材派遣会社なのですが、会社の内容としては、営業のアウトソーシングを受ける仕事をしており、私は日用品メーカーの営業代行として働くことになりました。

転職するにあたっては、「 できれば定年まで働ける会社 」「 生活できるだけの給料をもらえる会社 」に転職したい、と思っていましたが、なにしろ50代なので、そもそも入社できる会社があるかどうかが心配でした。実際、以前の会社に入社した時も、正社員に登用してもらえたら定年まで働こうと考えていました。

所帯持ちの私としては年収も大きな問題でした。実際に50代の転職先としては転職サイトやハローワークでも月30万以下の給料の会社がほとんどなが実情です。正直東京に賃貸で暮らしていると年収400万ではかなり苦しいレベルです。これは恐怖に近いものがありました。それまでのキャリアを買ってくれる会社があればいいのですが、買ってもらえないキャリアはただのプライドでしかありません。

50歳代のサラリーマンはコネを頼るしかないのか

転職活動で苦しかったのは、まず転職サイトでは条件の合う会社がなかなかないところでした。50代では異業種に転職することはまず不可能に近いですし、あきらかに出来高払いの会社や社員使い捨ての会社に入社してもまた転職する羽目になるのでそれは避けたかったです。

また、知人に紹介してもらって、「 まあ俺の顔があるから基本的には大丈夫 」と言われていた転職先があったのですが、そこに断わられた時にはショックでした。実際には私が断られたわけではなく、先に別の方を採用したのですが、期待していただけに転職への不安が増大しました。

また、私は業務委託契約で働いていたので以前の会社を辞めた時に雇用保険をもらえなかったが痛かったですね。これは分かってはいたことですが、正社員でも契約社員でも社員として働いていれば1年働けば雇用保険が出るので、業務委託契約で契約したことをかなり後悔しました。どうせ働くのであればやはり社員で働ける会社にすればよかったと思いました。

ですから転職が決まるまでの数ヶ月は無収入になり、かなり生活が苦しかったです。少ないながらも貯めていた貯金は全部使い果たしてしまい、この先転職できなかったらどうしよう、いつ転職出来るのだろうと恐くなりました。

今の会社も別の知人に紹介してもらった会社なのですが、かなり私を売り込んでくれたらしく、一時面接から社長面接まではとんとん拍子にすすみました。ただ、いざ契約という段になって問題が発生しました。

この会社は営業のアウトソーシングを受けているので、営業代行として働くのですが、「 自家用車 」を営業車として使うシステムだったのです。そして私はその時自家用車を持っていませんでした。

結局背に腹は代えられず、私は自家用車を調達して転職することにしましたが、自動車に関する経費は自腹なので、経済的に不安が残りました。

50歳代で転職してよかったと思ったこと

実際に転職してよかったところはいくつもあります。

1.無職の不安がなくなったところ
とにかく社員として働けるので職業は「 会社員 」と堂々と言えるところです。業務委託契約の時は個人事業主でしたが会社を立ち上げていなかったので、自営業としてはかなり中途半端でした。やはり企業に所属しているというのは心理的に楽です。

2.安定収入があるところ
社員は毎月毎月きちんと給料がもらえるのでありがたいです。また、健康保険も半額は会社で持ってくれますし、住民税も会社員は安いです。個人事業主の時は健康保険と住民税で50,000円近くとられていましたし、自分で払うようにしていたので毎月毎月心理的経済的負担が大きかったです。

3.ストレスがなくなった
ここ10年くらいは仕事のストレスや会社のストレスにずーっと悩んでおり、休日も仕事のことを考えて憂鬱になるような生活を送っていましたが、今の会社にはいばった上司もおらず、いじめもなく、売上のノルマもありませんのでストレスから解消されました。これが一番大きい。また、基本的にはホームオフィスが認められているのである程度時間が自由になるのもありがたいです。逆に休日に残った仕事をやらなければいけないこともありますが、心理的にストレスがありません。

以前の私は、休みの日は仕事のメールもケータイも書類も見るのもイヤだったのですが、今の仕事内容に満足しているためか、休みの日に多少仕事が食い込んでもそれほどいやではなくなりました。これはホームオフィスにしているせいで仕事がある程度家庭に食い込んでいることもあると思いますが、以前より楽しく仕事ができるようになりました。

実は私は数回転職をしておりますが、今回の転職は大成功だったと思っています。50歳代にして転職し、楽しく仕事ができているからです。やはり仕事は仕事をしていく環境が大切なのだなあと改めて噛みしめています。

50歳代リーマンが体験した雇い止めの恐怖まとめ

私は年齢的にもギリギリ人材紹介会社経由で再就職することが出来ましたが、50歳代以降で転職に成功した人の多くが、転職サイトや転職エージェント経由ではなく、やはりコネや縁故を利用した転職が多いようですね。

50代ともなれば、持つべきものは友達でしょうね。困ったときに路頭に迷わないよう、今から積極的に友達の輪を広げておきませんか?

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