書類選考すら通過できず、介護職なら簡単に転職できるのではと考えていませんか?
介護業界は、超高齢化社会の波に揉まれ、まだまだ人手不足なので50代未経験者でもウエルカムですし、未経験で就ける他の職種と違いキャリアパスがしっかりしているからワンチャンスありの世界。
でも給料低いし…と二の足を踏んでいる50代のために、有料老人ホームで総務人事職として5年間過ごした過ごした私が、介護業界の実態と共にお伝えします。
50代の転職で介護はあり?未経験者が就ける業界の現状
介護業界はずいぶんと前からあるように思えますが、介護保険制度が始まったのは2000年、たった20年程度の歴史しかない新しい業界。
超高齢化社会に突入した日本では、まだまだ市場が拡大していくことが予想されており、経験者や未経験者はもちろんのこと、外国人介護士やロボットの導入を真剣に考えていますが、厳しい状態が続いています。
20年前、介護業界は一獲千金を夢見る業者や志のない転職者で溢れかえりました。
もっと楽して稼げると期待してきたのに、実際は薄給なうえ3Kで、理想と現実のギャップに飲まれた大量の退職者を生み出し、結果、介護業界は「離職率が高い業界」「業界全体がブラック」としてイメージ付けられました。
私が入職するちょうど10年前のことです。
確かに、法令さえ遵守できないブラッキーな事業所は今でも存在するし、世間でクローズアップされがちな「人間関係の悪さ」や「職員による虐待」もないとは言い切れない…。
決してきれいごとでは済まされないことはいくらでもありますが、辛いことは他の業界や業種でもありますよね?
みんな悩みながらもイキイキ働いていますし、私自身、ご利用者様からいただける「ありがとう」の一言にハマってしまったひとりです。
話を戻しますが、正社員・派遣・アルバイトなど様々な雇用形態が選べるだけでなく、長年培った経験やスキルを余すことなく発揮できる介護業界に入ってくる50代は意外と多いですね。
介護職に転職する場合のおすすめポイントをいくつか紹介しておきます。
人生経験が活きる
会社員はもちろんのこと、元自衛官や警察官、販売職や美容員など、介護業界には様々な職歴を持った未経験者がやってきますが、高い対人スキルが要求される介護職は、20代30代よりも人生経験が長い中高年の方が圧倒的に有利。
私の元職場も、40歳以上でないと採用しない徹底ぶりでしたから、いかに中高年の経験やスキルが重宝されているかお分かりですよね?
現場の介護職はもちろんのこと、裏方である管理部門もほとんどが現場あがりの介護職が兼任しているので、他業界からの転職者は重宝されます。
将来性がある
介護業界では、まだまだ超高齢化社会が続くと予測されており、政府や転職エージェントが未経験者の発掘と採用に力を注いでいますが足りていない状況が続いています。
国や県は、外国人介護士の配置が着々と進んでいると公言しますが、外国人介護士がいる老人施設を一度も見たことがありません。
また、若い世代が中心となって新しい介護サービスが次々と生まれているのも面白いところ。
親の介護にも活かせる
介護の現場で培った経験は実親の介護にも活かせるスキルです。
私自身、現場の介護職ではありませんでしたが、母親が脳梗塞で倒れた時、知り合いのケアマネージャーや同僚介護士に連絡して随分と助けてもらいましたから。
介護業界は横の繋がりが非常に強い業界なので、万が一の場合にコネを持てるのも魅力のひとつですね。
50代の転職で介護に未経験で就くメリットは失業しない強さ
介護職が最強と言われるのは、どんなに不況に陥っても絶対に失業しない強さにあります。
経験がなくとも取得できる介護職員初任者研修では資格として弱すぎますが、3年以上の経験が必要な介護福祉士を持っていれば、今の世の中どこに行っても渡っていけます。
他にもいくつかあるメリットを見ていきましょう!
メリット1:選べる働き方
介護業界内の話をすれば、まさに人材の争奪戦が起こっています。
ニチイやSOMOPホールディングスやベネッセなどの超大手は、その潤沢な資金をもって優秀な人材を次々と確保していっていますが、私たち弱小は条件面で大手を超えることはできないため、介護職の皆さんが働きやすいよう日々努力。
そういう背景から、正社員だけでなく、派遣社員・パート・アルバイトで働きながら経験を積むコースもちゃんと確保されています。
また、ライフスタイルに合わせて自由にシフトが選べるのも嬉しい限りですよね?
メリット2:キャリアパス
警備員・タクシー運転手・工場勤務は、50代未経験者でも就ける職種ですが、介護職ほどキャリアパスが整備されている職種はありません。
キャリアパスとは、簡単に言えばキャリアアップのための道筋。
未経験者だろうが50代だろうが、一定の経験値を積めば介護福祉士への道が開け年収や待遇も上がっていく仕組みが整っています。
メリット3:独立開業
50代でも頑張れば施設内で出世できるかと言われれば疑問ですよね?
他の業界に比べて出世しやすいのが介護業界の面白いところですが、20代30代のバリバリ介護職たちも当然上を狙って努力しています。
経験豊富な彼ら彼女に未経験者が数年で逆転できるほど甘い世界ではありませんが、3年間介護職として経験を積んで介護福祉士を取得。
その後、仲間たちと独立して介護サービスを提供する道は十分開けています。
2020年4月13日追記:
今回のコロナ騒動で、ディサービスなどの通所型介護施設は不景気に非常に弱いことが分かりました。
転職の際は十分気をつけてください。
50代の転職で介護に未経験で就くデメリットは給与の低さ
介護職に転向する最大のデメリットが低い年収でしょうね…。
お世辞にも高いとは言えない介護職の平均年収は、329万円。
職種別の年収ランキングでも常に下から数えた方が早いですし、景気に合わせて大幅に上がる可能性は低いのが残念な点。
未経験で介護職に転向してくる50代の中には、「少なくとも年収800万円はいただきたい」と希望欄に書いてく方もいらっしゃいますが、まさにギャップを物語っているのではないでしょうか?
(もちろん、書類選考の段階で「お見送り」させてもらいました)
デメリット1:体力勝負
身体介護は基本的に体力勝負。
介護職員初任者研修の段階で基本を教わり、実務を積んでいく中で力の使いよう、腰に負担をかけない方法が分かってきますが、体を動かすことが苦な50代は厳しいと言わざるを得ませんね。
また、働き方が選べる反面、シフト勤務も体に堪えます。
デメリット2:年下が上司
他の業界同様、介護業界では年下が上司ってことも珍しくありません。
しかもです、リーダーが19歳女性とか、フロア主任が20代とか普通にあり得る世界です。
意気揚々と入社してきた中高年が、彼女らに一喝されて1週間もたたず辞めていった場面を何度か目撃したので、プライドが高い50代には少々きついかもしれませんね。
現場職が厳しくならざるを得ないのは、介護職が命を預かる職種だから。
この辺りが理解できるか否かで、介護業界でやっていけるかどうかが決まります。
50代の転職で介護に未経験で就く必要な経験スキル
30年近い社会人生活で培った経験やスキルを余すことなく発揮できるのが、介護業界の特徴。
特に、50代の落ち着いた雰囲気やコミュニケーション能力は、利用者だけでなくご家族との連絡の際求められるスキルです。
「元々管理職をしていた」と威張り散らすのではなく、素直さをもって職員やご利用者様と接すれば、必ずあなたのファンになってくれる人が現れるはず。
また、事故が起こらないよう万全の態勢で施設を運用していますが、いつなんどきハプニングが起こるか分からないので、臨機応変に動ける50代も重宝されると思います。
介護職員初任者研修は、入社までに取得しておくことを強くお勧めします。
転職サイト経由で仕事が決まれば、資格取得代を肩代わりしてくれる転職エージェントは多いですが、仕事を覚えながらの資格取得は相当なエネルギーを消費するハメに陥ります。
よっぽどの強い精神力の持ち主でないと、キツいですよ!
50代の転職で介護に未経験で就く際つかえる転職サービス
介護施設を営む業者は、まさにピンからキリまで。
元職場の中小企業はあらゆる制度や補助金を得て、介護士の確保に努めましたが、さすがにボーナスや退職金はとてもじゃないが払えませんでした。
優良企業が運営する条件の良い施設に入職できるかどうかで、もらえる給料は随分と違ってきます。
こんなはずじゃかかったと後悔する前に、施設選びは慎重に行ってくださいね。
ハローワークや折り込みチラシに掲載されている公開求人は気軽に応募できる反面、足元を見られ信じられない安い給料で働くハメになるので、ここはやはり、介護専門の転職サイトか転職エージェントに転職支援をお願いするのがポイント。
50代の未経験者は相手にもしてくれないと考えている人がほとんどですが、実際は未経験者の取り合いですし、資格取得代を肩代わりしてくれる転職エージェントはいくらでもあります。
先入観ありきで転職活動すると、上手くいかないばかりか、どんどん下層に流されていくので注意してください。
50代の転職で介護に未経験で就く際の注意点まとめ
最後に要点をまとめておきます。
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背に腹は代えられないと介護業界にやってくる50代よりも、何らかの志を持ってくる人の方が定着率は高いですね。
個人的には、正義感が強い方なら絶対ハマってしまう業界と考えています。
かつての私もドハマりしてしまいましたから…。