ハローワークでタクシードライバーをゴリ押しされて、嫌な思いをしたことはありませんか?
かつて訳あり中高年が流れ着く業界、社会保険に加入しない違法な会社が乱立していたことから、あまり良いイメージでないのが一昔前のタクシー業界。
しかし実際は、昔ほど酷くはなく、むしろ居ついてしまう人が多いのがタクシー業界の今。
タクシードライバーには興味あるけど本当に未経験でも大丈夫か?と、心配している人がほとんどですが、タクシー業界は他業界からの転職組で構成されていて、至れり尽くせりの研修制度やサポートがあるため左程心配する必要もありません。
50代転職で未経験者でも就けるタクシー業界の現状
繁華街に活気があるかどうかを推し量る上で、運転手の増減をひとつの指標として使う人がいるほど景気に左右されるタクシー業界。
首都圏では壊滅的な打撃を受け全員が解雇される動きもあるようですが、関西圏を例にとれば左程でもなく、タクシードライバーをやっている知人が何人かいますが、みな「今は逆に忙しい」と奔走しています。
タクシー業界の平均年齢はなんと56.8歳。
50代60代が中心の業界なだけに、50代が未経験で入っても何の違和感もありません。
タクシードライバーになるためには唯一、第二種運転免許が必要ですが転職前に取っておかなければならないわけではないので、ここは安心して良いでしょうね。
ただ、運転技術だけでなく人生経験を活かす場面が多い業界なので、若年層ドライバーの定着率が悪い業界であるのは紛れもない事実。
また、経験が10年以上あれば個人タクシーを設立して独立できますが、みな一様に「雇われのほうが気楽でいい」と今日も尼崎の街を走り回っています。
肝心の給与について、平成30年度の月収は28万円年収にして350万円ですが、これはあくまで全国平均。
東京都内のタクシードライバーの平均給与が410万円と最も高く、過疎地に行くにつれ平均年収が下がる傾向にあるので、人口過密地のほうが有利なのは間違いありませんね。
冒頭でも説明した通り、タクシー業界は今大きく変わろうとしていて、未経験者に優しい業界であることはまちがいありません。
代表的なものをいくつか説明しておきましょう。
資格取得制度
タクシードライバーになるため絶対不可欠な第二種運転免許を取得する場合25万円ほどの自己負担。
転職するためワザワザの出費は痛いですよね?
しかし、免許取得費を全額負担してくれたり、資格取得に向け勉強している最中も手当を支給してくれるタクシー会社も珍しくありません。
タクシードライバーの争奪戦が繰り広げられている業界では、一人でも多くの未経験者を引き込もうとあの手この手で採用活動が行われており、未経験者に優しい業界と言われるまでになったのです。
他にも、東京・大阪。神奈川の一部でタクシードライバーになるためには地理検定を取得する必要があるようですが、こちらも入社時の資格取得制度をフル活用するのが賢いやり方ですね。
手厚い社員研修
今や資格取得補助はどこのタクシー会社でも行っていることなので、入社後の手厚い社員研修でプレミアを付けようとしています。
タクシー会社に入社すると、タクシーメーターの使い方から、マナー研修、トラブル対処法をひと通り教えてもらえるので迷うことはありません。
また、研修中も日当を出してくれる企業もあるので嬉しい限りですよね?
入社後の給与保証
タクシードライバーの給与体系は何種類かありますが、多くが歩合制。
基本的に客をより多く乗せた乗務員ほど給料が高い仕組みなので、未経験者は絶対的に不利ですよね?
そんな有利不利を緩和するため、タクシー会社の多くは入社後の給与保証を付けています。
いわゆる試用期間のようなものですが、3か月から私の知る限り最長6か月は25万円~30万円の給与保証はしましょう!って制度です。
50代未経験者がタクシー運転手に転職するメリット
タクシー運転手は景気に多少左右されるものの、手堅い職業のひとつ。
第二種免許を持っていなくても資格取得制度を利用すれば自己負担なしで一生ものの資格が手に入るうえ、半年間は給与が保証されています。
転職先がないと嘆く前に、先入観を捨ててタクシードライバーになってみるのも良いのではないでしょうか?
他にもいくつかあるメリットを見ていきましょう!
メリット1:シフト勤務
タクシードライバーの典型的な勤務体系が、隔勤(かっきん)と呼ばれる18時間働いて翌日は休むパターン。
1日の稼働時間は長くシフト勤務でなかなか体調管理が難しい一方で、月間の勤務日数に換算すると11~13日程度。
スキマ時間を利用して趣味に没頭したり、会社公認で副業に勤しむ人も多いのが特徴ですね。
また、お客を乗せている間は無理ですが、独りの時間が長いので孤独を愛せる人ならうってつけの職業と言えます。
逆に、副業でタクシー運転手をやっている人も多いですね。
メリット2:売上アップが見込める
タクシードライバーの給与体系は、固定給・歩合給・賞与で成り立っおり、
- A型賃金
固定給+歩合給+賞与
一般企業と同様の給与体系ですが、タクシー会社ではあまり採用されていない - B型賃金
完全歩合制 - AB混合型賃金
今流行りのハイブリッド型と呼ばれる賃金体系
A型賃金とB型賃金のそれぞれ良い部分を取り入れていると言われている
の3つに分類されますが、実際はほぼ完全歩合制。
頑張れば頑張るほど給与に反映されるため、やりようによっては売上アップを狙えます。
そのためには指名が増えるのが一番の近道と言われており、これまでに培った人間力が発揮される場面でもあります。
今ではカーナビが標準装備ですが、最短距離を走ってくれるドライバーさんは信用できますよね?
メリット3:複合サービスの提供
第二種免許を取得すれば、介護タクシーや観光タクシーなどバリエーション豊かなサービスを提供することができるようになります。
夢は広がりますよね?
私の友人も副業で介護タクシーをやっていて、これは指名を入れてもらう必要があるようですがバッチリ儲かるとのこと。
高齢化社会だからこそのサービスを考えれば、他にもアイデアが浮かんでくるはずではないでしょうか?
50代未経験者がタクシー運転手に転職するデメリット
タクシードライバーとして転職する上で最大のデメリットは、そのイメージの悪さでしょうね…。
酔っ払いや悪質なクレーマーならまだしも、強盗事件も少なからず起こっています。
怖いですよね?
私の友人はみな武闘派だから…。
デメリット1:不特定多数の客
ベテランドライバーに聞いたところ、どんな客が乗り込んでくるか分からない恐怖は多少なりともあるようです。
ただ最近ではドライブレコーダーやカーナビが標準装備となったことで、相当の抑止力になっているのも確かです。
デメリット2:不況に弱い
物理的には、やればやるほど売上は上がっていく歩合制ですが、不況に陥るとタクシーの利用を差し控える企業が多いのでモロに影響を受けてしまいます。
今回のコロナ騒動でも、首都圏のタクシー会社は大打撃を受けたと聞いております。
デメリット3:シフト勤務
18時間働いて翌日休みの隔勤は辞められないってベテランからの声が聞こえてくる一方で、なかなか慣れないって未経験者は多いですね。
また深夜の運転は昼間に比べて緊張を伴うので、しんどいと感じる方、この変則勤務自体が体力的にキツイと短期間で辞めてしまう方も多いと聞きます。
50代がタクシー業界に転職する場合求められるスキル
長い社会人経験で培った人間力やスキルを遺憾なく発揮できるのが、タクシードライバーの魅力。
特に50代の方であれば、落ち着いた雰囲気や円滑なコミュニケーション能力を駆使して、上得意様を獲得するのが売上アップへの第一歩です。
運転するのが好きって人はもちろんのこと、人と話すのが好きな元営業マンや元エンジニアなど様々な業界からやってきた未経験者が成功していく世界です。
「タクシードライバーなんて誰でもできる仕事」と見下すのではなく、自分の持てる力を全て活用していこうという意気込みが必要ですよ。
タクシー転職で50代未経験者が後悔しないコツ
タクシー業界は未経験者に優しい業界ですが、サポートの度合いもピンからキリまで。
未経験でタクシー業界目指すなら少しでも、手厚い社員研修や資格取得制度を活用できる方がイイに決まっています。
条件の良い企業に入社できるかどうかで、生涯もらえる給料はずいぶん違ってきます。
こんなはずじゃなかったと後悔する前に、会社選びは慎重に行うのが得策ですよね?
ハローワークや新聞の折り込みチラシに掲載されている公開求人は誰でも気軽に応募できる反面、条件の低い求人が多く、十分な資格取得制度や研修が受けられない可能性も無きにしも非ずです。
ここはやはり、タクシードライバー専門の転職サイトか転職エージェントに支援をお願いするのが得策ですね。
50代の多くが、未経験者は相手にしてもらえないと間違った先入観で転職活動を始めてしまうため、ハローワークか折り込みチラシに掲載されている求人しか探せず「こんなはずじゃかなった」と下層に流されていきます。
転職において先入観は危険です。
気を付けてくださいね。
50代がタクシードライバーに転職できる可能性はあり
最後に要点をまとめておきます。
- 50代未経験者でも転職できるタクシー業界
- アイデア・頑張りによっては売上アップが見込める
- 不特定多数の客の相手はやや不安が残る
- 客商売なのでコミュニケーション能力は必要