ホテルマンへの転職は未経験でも可能?夢を諦めた50代の転職活動

50代までずっとアルバイト人生を歩んできた一人のオヤジが、またひとり正社員として転職に成功しました。

西田さんは元バンドマン。なんとメジャーデビュー寸前にレーベルが倒産してしまい、夢を諦めざるを得なかった可哀そうなオヤジさんだ。

しかし、当の本人は「人生に悔いなし」とあっけらかんとしているから驚きを隠せない。

彼がいかにして正社員になってしまたのか、その一部始終を紹介していきます。

ホテルマンになるべく50代が正社員を目指してみた

50代フリーターがホテルマンの正社員目指し転職活動

大学卒業後ホテルに就職しましたが、別の夢があり3年で退職。

その後も夢を追いかける傍らパートでホテルのフロントを続けておりました。

動機は50歳になり遅すぎる夢との決別をし、転職を考えました。

「ホテル求人ドットコム」って転職サイトを利用。

時期が良かったのか、今ほどではありませんが新規ホテルの建設ラッシュに乗れ、何とか就職にこぎつけました。

夢を追いかけるバイトとしてホテルに長年おりましたが、自分のモットーは「何事も疎かにしない」がその1つ。

何事も一生懸命、精一杯考えて力を振り絞ってやり遂げないと何も得るものはありません。

それは、本業の夢にも生きてくるもの。

何をするに当たってもお客様が何を望まれて、どんなタイミングで相手の今一番気持ちの良い具合(テンションと言うべきでしょうか)でサービスをご提供する事が出来ないと、お客様の満足は得られません。

元気一杯で明るい接客を心掛けておりますが、疲れ切っている方に大きな声を出しても辛いだけです。

そう言った場合は、少しトーンやボリュームは抑え、柔らかさや優しさを強調し、無駄なくスムーズにチェックインを終え、お部屋で寛いで頂ける様に心掛けております。

1例でしたが、この様な気持ちを読む力を磨く事を疎かにしない事で、お客様の感情に響く接客が出来ます。

その能力は、どんな職業でも生きてきます。私の場合は、逆に夢を追いかける本業の方で気付けました。

アーティスティックな業種でしたが、顔の見えない人に対して、ひたすらに寝る間も惜しみ、相手に響く言葉を考え続け、自分の無力さに涙しながら、これで良いのか?これが今の自分が納得がいく最高の表現なのか?を問い続ける毎日を経験しました。

本当に頑張ると言うことはこう言う事なんだ、と貴重な経験をしました。

ホテルマンになりたいが未経験が心配な50代

50代がホテルマンに転職するにあたり経験がなく心配

長年ホテルを経験しているとは言え、所詮パートの範囲での仕事しかしてきません。

毎月の営業会議が、まず不安でしたね。稼働率、ADRなどチンプンカンプンな数字を扱う事が無かったので、不安はとても大きかったです。

面接では、正直に数字関係は素人だと言っていましたが、現場はきっと出来て当然と言う空気なのだろうとすごくプレッシャー。

いかに自分が小さな世界で、仕事が出来ていた気になっていたかと、思い知らされました。

人間関係も不安でした。

色々な職種を経験してきましたが、ホテルで働いている人は癖が強い傾向がありますし、濃い人が多い。

自分のルールをしっかりお持ちで、少しでも外れたりミスをするとクドクドとご指導されます。

たとえ、仕事に支障をきたそうがお構いなしです。

古い昭和の仕事の感覚が、抜けきれない方も多いですね。

「仕事は見て盗め」これは賛成ですが、厳しい指導が時には感情的になってしまう方が今まで目につきました。

コンプライアンスを理解していない結果、今の時代にあった教育が出来ない。

当然こう言う方は出世することが出来ず、いつまでも現場に留まります。

教えて頂くからには今迄の経験は一旦ゼロにし、真っ新な気持ちで現場のルールやり方をひたすら頭に叩き込む。

皆さんのお役に立てる様にする事が、教えて頂いた方々への恩返しです。不義理の無い様にしたいと、考えていました。

人間関係が良ければ、どんなに忙しくても辛くても乗り切れます。

良好なコミュニケーションが成り立っている職場は、良いサービスを提供出来ます。

その輪に自分も入る事が出来、更にサービスの向上に貢献出来ればこの上ない幸せだと感じています。

ホテルでお勤めの方はピンと来ると思うのですが、パソコンで予約、残室管理、料金管理、顧客情報、稼動率などを管理するシステムを使用しています。

システムを提供している会社は何社かありまして、各々チェックインやチェックアウト、予約の管理の手順は違います。

それも、ゼロからのスタートになるのかが不安でした。

ホテルマンへの未経験転職で大変だった面接突破

50代がホテルマンへの転職で大変だったのは面接突破

何社か面接を受けさせて頂きました。

長年アルバイトで食い繋いできた自分は、圧倒的に不利。社員で働いていない事は、いい加減な人生を歩んできたと見られます。

リーマンショック以降の世界の常識の様変わりを見てきて思う事は、この先の世界は自分の力で乗り切る術を身につけないと、いけないと言うことです。

3大メインバンクですら、24万人リストラされるニュースは驚愕しました。

AIの発達で、弁護士会が仕事を取られる危機感から大騒ぎ。

コンニビも、店員が居ない店舗が始まります。オリンピックや、インバウンドの影響で一見経済は良い印象ですが、状況は最悪。

リストラ、AIによって仕事は無くなっていきます。

経済ニュースでは無いので、軽めにしておきます。

頑張って大企業に入ってでさえも、この危機はいつ襲ってくるか分かりません。

そんなこの先の世の中を生き抜くには、会社に頼っていては何の保証もありません。

自分で考え、行動し、道を見出し、更に日々磨いていくことが必要です。

今迄の経験ですが、今だにお金を貰っているだけの仕事感覚、所謂サラリーマン的な仕事をしている方が多いですね。

発展的、生産性要素の無い仕事を続けていては、個人だけでなく会社の未来も無いと考えます。

この厳しい時代を生き抜く為には、人と同じ事をしていてはいけません。

話が逸れている様にみえますが、面接で必死にこの様な事を伝えます。

人見知りなので、この点が一番苦労する点ですね。

面接の方々に響かなければ、いきなりチンプンカンプンな話しをする面倒臭いおっさんが来たくらいの印象でしかありません。

決して上から目線で、俺に合った所を品定めしてやろう、と言った気はありません。

この様な話しを理解して頂ける方と、お仕事をしたいと言う意図です。

そこを踏まえないと、頑張っていても1人浮いてしまいかねません。

1人で張り切っていても面白くありませんし、最悪孤立する事も考えられます。

そうなった場合は、職場の皆さんを巻き込む意気込みですが、我儘を言えばこちらもテンションが上がる職場が喜ばしいです。ホテルラッシュで人を何とか確保しようと言う流れや、経験者と言うこともあり面接へは苦労せずにこぎ着けました。

その状況は、今でも変わりありません。

大変だと思った点は、より良い環境を自分なりに見出そうとした点でした。

ホテルマンに未経験で転職でき人間関係も良い

50代でホテルマンに転職でき人間関係も良い職場で安心

まず、人間関係が良かった事が一番良かった点。

残念ながら前にいた職場とはシステムが違い、先輩に教えて頂きながらチェックイン、チェックアウトや観光案内など励んでおりました。

違うシステムとは言え、レイアウトが違ったり、名称も違いに慣れると基本的には同じ概念でしたので比較的早く慣れました。

接客自体は自信がありましたので、少しづつ楽しくなり始めた頃ミスを立て続けにしました。

チェックインをしている最中にお客様から質問され、それについてのご案内をさせて頂き、宿泊代の精算をしカードキーをお渡しする際に部屋番号を書き間違えてしまいました。

お客様は部屋に行ってもドアが開かず、フロントに再び来られた時点で発覚。

幸い、間違えたお部屋はチェックインしておらず、お客様同士がはち合わせする最悪の自体は免れました。

丁重にお詫びし、新しいカードキーを持ちお部屋までご一緒しました。

しかし結果オーライなだけで、お客様の信頼は失われたでしょう。

ホテルマンに未経験で転職したがミス連発で憂鬱な日々

その一ヶ月経たないかくらい経った頃、痛恨の同じミス。

チェックインも数が多い事で、集中力が落ちていた事もありますが、同じパターンでの失敗でした。

お客様とお話しをしながらのチェックインでしたが、今回はチェックイン済みの部屋番号を書いてしまいました。

幸いなことに、実際にはお客様同士がはち合わせる事はありませんでした。

ドアが開かず部屋の中から話し声がするので、おかしいと思いフロントに戻って来られました。

この日も丁重にお詫びをし、事情をご説明しお部屋までご同行しました。

お客様の不安を思うと、消えてしまいたかった…。

この後、1ヶ月フロントに立たせてもらえませんでした。

頭を冷やせ、と言われました。

その間、ロビーに立ちお荷物のお預かりや、観光案内やラウンジのメンテナンス、お部屋へのデリバリーをさせて貰っていましたが明らかな戦力外通告に心が折れました。

何も役に立てず、周りのスタッフも普段通りお話しして貰えますが、腫れ物に触らない様に気を遣わせているのが、目に見える様でした。

毎回、今日も給料泥棒やなと自分を責めていました。

辛かったです。

そんなある夜勤中の夜中の3時頃、ベテランさんと2人で事務所でいました。

私はお役に立ちたく、ひたすら予約のチェックをしていました。

ベテランさんが思い出した様に、「ああ◯◯さん、僕◯◯さんの接客大好きなので、早く戻って来て欲しいです。今までうちに居なかった接客なので勉強になります。」面食らいました。

この男性のベテランさんは、相当仕事が出来る人で憧れの人だったので、嬉しかったです。

仕事が出来るのにそれをひけらかさない人格者で、ムードメーカーでもある凄い人。

教え方も相手のレベルに合わせ、とても分かり易いです。

きっと考えずに、この人はこういう事が出来るんだろうなと一目置いていましたし、そんな人にかけて貰った言葉で心がフワッと軽くなった気がしました。

中々こんな良い人間関係の職場無いかもしれない、この関係をお大事にしたいと思いました。

今だに予算や数字関係は分からない事だらけですが、絶対将来に役に立つと思うと眠気も少しマシです。

ホテルマンに未経験で転職するまでの活動記まとめ

最後に要点をまとめておきます。

転職に成功した元バンドマンの特徴

  • 転職の動機:夢を追いかけバンド活動していたが、50代で遅すぎる夢との決別
  • 転職の手段:転職サイト(ホテル求人ドットコム
  • 要した期間:3か月
  • ホテルで働いている人は癖が強い傾向があり、濃い人が多い
  • 人間関係が良ければ、仕事がどんなに忙しくて辛くても乗り切れる

転職支援をする中で、彼のような転職パターンはレア級なのですが、見事正社員として就職してしまいました。

西田さんは何をするにもストイックだから、面接官も見抜いてしまったんでしょうね。

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