50代に入ると格段に転職は難しくなるのは紛れもない事実。
決して転職できないわけではありませんが、40代に比べて格段に難しくなるのは覚悟しておくべきです。
私も同じ経験をして知ったのは、50代の転職は家族を路頭に迷わせられない責任感もさることながら根気と気力が必要です。
「諦めないことが大事」と気安く言う人達がいますが、失業という絶望と恐怖の中、諦めず前に進むことは想像以上に困難なのです。
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- 50代で転職した理由
- 50代ではあっせん業者は役に立たなかった
- 自分では気付かなかった強みを評価して内定
50代で転職した理由はリーマンの悪夢から始まった
山本さんは現在は製造業の製品管理に就いている59歳。
以前は金属プレスオペレーターで、具体的には金属の一枚板を金型に通しバケツやタライ、カーオーディオのシャーシ、小型の金属部品を作っていました。
仕事はプレス機のオペレーターを長年やっていましたが、時々金型の製作にも携わり金属加工に関する知識や経験を積んできた形ですが、リーマンショック以降新しい仕事が来なくなり、追い打ちを掛けるように安い海外へ仕事が流れていく状況になっていました。
当然勤めていた会社も新規の仕事が殆ど無く工場も思うように回らなくなり、当時、40代後半に差し掛かっていた私は、早期退職の候補に選ばれることになってしまいました。
良くありがちな、退職金の上乗せを提示され退職を勧められることになりますが、「この歳で転職して次の仕事なんてあるのか?特に職人のような仕事をしてきたわけでも無いのにどうするんだ?」と半ば落胆と諦めで頭の中はいっぱい。
動機としては仕事が無くなり、給与の高い40代は辞めてもらうのが世の中の常。
家族も抱えて、これからどうすればいいのか見通しが立てられません。
そんな中、会社の方で民間の仕事あっせん業者に相談できるようにしてもらえることが分かり、これを転職手段として使わない手は無いと考えました。
50代の転職でハローワークは全く役には立たなかった
ハローワークを利用して次の転職先を探す方法もありましたが、以前利用した際に、給与の面でとても今の水準を保てる仕事はなく二の足を踏むような状況。
その経験があり、今回もハローワークを利用する考えはほぼありませんでした。
結局民間のあっせん業者を通じて次の仕事を探すことが出来ましたが、金属加工をしていた経験と係長をしていたのを買われ、金型のメンテナンスとプレス作業の現場指導を任されることになりました。
当然、給与水準も転職前とほぼ変わらずでひと安心しました。
特に、特殊な技能があったわけでも無かったので、次の仕事が見つかるのかどうかが心配でした。
求人票によく書いてあるのが、「経験○○年以上」、「資格を持っている人」とよくありがちな採用条件に該当せず、受けても門前払いされるのではないか不安がありました。
実際に一度転職した際には、求人票を送っても連絡が無かったりそのまま送り返されたり、面接で「何しに来たの?」みたいに笑われたりが続きましたね。
ですから、余計に資格や経験が無いことを転職する際のデメリットと、感じていました。
年齢も40代50代になると給与も高くなる傾向にあるため、希望給与額を30万円と書くと「うちではそんなに払えないので他を当たってください」と言われたこともあり、次の仕事がすんなり見つからないと考え、家族の生活がどうなるかが一番の心配でした。
50代転職であっせん業者も役にも立たず打つ手なし
まず手始めに、早期退職を勧告した会社が手配した転職あっせん代行業者で転職活動をすることになりました。
社員達も開口一番には「何か資格をお持ちですか?」と言葉を聞くことが多く「特にはありません」と答えるしかありません。
業者も、「資格が無いと今のご時世は次の仕事は直ぐに決まらないことが多い」といかにも他人事とな態度をされ、転職活動をする前からストレスが溜まっていました。
正直、会社の委託でお金をもらっていんでしょうが、所詮は辞める人の尻拭いをしてやっている態度が時々見え隠れし、「なぜこんなことを言われなければいけないのか、お前に何が分かるんだ」と毎日の様にイライラですよ。
その委託会社から来ている人たちも、私より明らかに年下で鼻に就くような態度を見て毎日その気持ちを落ち着け、うまく機嫌を取りながら何とか次の仕事を見つけようと、自分を殺しながら我慢している生活が一番つらかったと記憶しています。
50代で転職して絶えることのない家庭での夫婦喧嘩
妻に「会社から早期退職をするように言われた」と言うと、「家のローンは?子供の学校のお金は?明日からの生活はどうなるの?」って言われっぱなしで、こちらもカチンと来てしまいケンカになっていました。
仕事を見つければ文句は無いだろうと、直ぐに見つけようと考えていましたが、会社でも家でもストレスが溜まり暴れたいけど暴れてもどうにもならない。
ではどうすればいいのか?
それも分からないと堂々巡りになっている状況が一番嫌でしたね。
そのうちどこかへい行った方がいいのではないか?と言う考えも浮かび逃げられるものなら逃げたかったです。
今までの転職活動の時とはレベルが違い過ぎたので精神的に追い詰められた感じになったのは言うまでもありません。
そんな感じで毎日家と会社でストレスを溜めながら次の仕事を探していましたが、私の職歴に興味を示してくれる会社が現れました。
50代で転職活動して奇跡的に2か月で内定を勝ち取る
この頃には早期退職の話をされてから約1月ほど経った頃ですが、資格が無くてもOKな会社にコンタクトを取り続けていたことが功を奏したようです。
私の様に年齢が中年になった社員は、現場での作業を望むのではなく管理職など人材育成や教育指導を希望する会社が多いことに気づきました。
私は過去の経験や資格が無い人は即戦力として使えないので魅力が無いのでは?と考えていましたが、それは30代前半程度までの話で以降の年齢の人には指導と言う観点で能力があるかどうかを見ていることが分かりました。
私自信、自覚がありませんでしたが周りの人から見ると面倒見がよく、高卒などの新卒で入社してきた社員からも話し易いと評価をいただき人間関係の構築と言う点では評価が良かったようです。
当然会社に勤めている時にはそんな話も聞いたことが無く、評価も教えてはもらえませんでしたので、正直採用された際に会社の評価を聞かされ驚きました。
20年近く経験していたことと、係長を経験していたことで採用して貰えた会社でも同じような役職で働くことが出来ました。
今では社員の指導がメインになっていますが、品質管理の部門を任され対外的な折衝もしており、いろんな分野の勉強もしながらで毎日大変ですが、部下との関係も良くやりがいのある仕事が出来て良かったと思っています。
給与に関しては以前の会社より年収が少しUPし生活へ支障も殆どありません。
時々突発的な部品不良などに対してお客さんに説明を求められる時の対応がちょっと大変ですが、今までの仕事とは違う新鮮味を味わいながらで充実しています。
また早期退職などと言う話が出るのでは?という不安もありますが、今では何とかなると思っています。
50代はもしもの場合に備えて市場価値を把握すべき
山本さんは幸運にも、たった2か月で転職を果たしました。
50代の転職活動は、一般的言って6か月以上はかかりますから2か月の転職はある意味驚異的。
転職エージェントを通さず、50代で前職より年収がUPするケースは極めて稀なケースです。
私自身も大企業の一員として「定年まで安泰だと」思えるほどぬるま湯に浸かっていて、業績不振を理由に突然リストラ勧告された時は落ち込みましたし非常に焦りました。
当時を振り返ると、転職するしないは別として、もしもの場合に備えておくべきだったと後悔しています。
リストラに代表される会社都合の退職は、精神的に追い込まれてしまいます。
当時は、転職活動しなければならないと思えなかったのが本音です。
引継ぎ完了までの1か月間は、長年勤めた職場を去らなければならない喪失感と、残留する社員達の「俺たちの犠牲になってくれてありがとう」って目にさらされるわけですから、ストレスや疲労が極限に達して、転職サイトに登録する気すら起きなくなります。
50代の転職支援をしている管理人から一言アドバイス
50代は、順風満帆で転職する気がなくても、もしもの場合に備え転職サイトに登録して自分の相場を把握しておくべき。
気になる求人情報を把握しておくだけでも、転職の選択肢が増えストレスや疲労が限界に達して倒れる寸前に転職の手が打てるようになります。
基本的に、転職サイトは登録無料ですし、あなた自身の希望条件に近いオススメ求人や職歴とマッチした新規求人がメールで届くシステム。
転職サイトに登録しても、ウザい勧誘が来るだけで、そのほかは最新の業界情報くれるんだから得にしかならない!!
性格診断や自己分析ツールなども充実しているため使わない手はありません!
さらに、職務履歴を登録しておけば、思わぬ大企業からスカウトメールが来ることもあります。
ハローワークの窓口や転職エージェントに「市場価値がない」と辛辣なコメントを受けても、客観的な市場価値を把握していればショックを受けることもありませんしね。
50代転職をブログで告白!諦めなかった男性が掴んだ人生
最後に要点をまとめておきます。
- 転職の動機:50代を目前にリストラされた
- 転職の手段:直接応募
- 要した期間:2か月
- ハローワークも斡旋業者も役には立たなかった
- 転職先では、若手の育成を任されておりヤリガイを感じている
自分の新たな可能性を見出した彼は今、若手の育成に力を注いでいる。
生き生きとした彼の顔が目に浮かぶようですよね?
様々な不安にさらされながらも前に進み続けた山本さんには脱帽です。
皆さんも諦めずに自分を信じて歩き出しませんか?きっと素晴らしい未来が待っていますよ。