「 50歳代で非正規なんて人生の負け組 」なんて言う輩がいるようですが、私はそうは思えません。正社員だろうが、非正規だろうがプライドを持って働いている中高年がいることを忘れてはいけません。他人がとやかくいうことじゃないんです。

これはかつて同じ職場にいた52歳の男性の転職物語です。当時、彼は契約社員として働いていました。この時点で前職から転職してきていました。この会社のPRに魅力を感じて転職してきたと言っていました。50歳を過ぎて転職を決意してこの会社に来たのだから、もの凄い魅力を感じたんだろうな。と私は関心していました。

英語ができないという理由で契約更新されず

しかしながら、私の会社での契約社員というのは最大3年。更新は年に一回。無事に更新されても、3年目は終了かもしれない又は社員。彼が転職してきて二度目の更新時期の時、上司から呼ばれて元気よく会議室に行きましたが、席に戻って来た時の顔色は浮かない顔でした。直ぐに察しましたが触れる事ができず・・・お互い喫煙者だった為、喫煙所で会った時に彼から重いく口調で更新にならなかったと。

私は信じられませんでした。何故なら、彼の成績は非常に良く、取引先の方も絶賛する位素晴らしかったのに何故、更新されなかったのか。そして彼は会議室で言われた内容を淡々と話し始めました。更新されなかった理由は英語ができないからという不条理な理由でした。彼が転職してきた時、上司は日本人でしたが、外資系企業だった事と業績が悪い為、本社からアメリカ人が来たのです。

そして元上司は降格。しかしながら、ほとんどの社員は英語ができなかったのです。彼が面接した際も、英語必須などはなく、むしろ英語ができなくても問題ありませんと言われたにも関わらず、更新されない理由が英語ができないからという不条理なループ。

彼はまた転職をしなければいけない状態になってしまったのです。やりがいのある仕事に魅力を感じて長年勤めた会社を退職して転職までしたのに、また転職をしなければならない状況になってしまい、彼は意気消沈していました。

これが最後の転職と踏ん張ってきたけれど

彼の転職活動は直ぐ始まりました。何故ならば彼には奥さんと子供が居たのです。お子さんは2人。上が高校生で下は中学生くらいだったと思います。住宅ロ-ンと子供たちの学費。全てに生活がかかっていたのです。ですが彼の年齢は52歳。意を決して転職したのに、また転職をしなければならなくなりました。彼は仕事中も浮かない顔をしていました。

ここを最後にしようと決意していたので、次の事は考えていなかった、何をしたいのかも分からないとボヤいていました。そして彼は自分の年齢で、どこでも採用されない事を分かっていた為、毎日が不安だと言っていました。子供が居るから、次の転職でも最低限の給料がなければやっていけないから、52歳という年齢で何があるのか?と言いながら、ネットでたくさん検索していました。

私の会社は、契約社員の更新は原則一ヶ月前からとなっており、彼は一ヶ月間の間で次の仕事を見つけなければいけなかった事。彼は業務中に電話をかけにいったり、コッソリ履歴書を書いたりしていました。そして面接の時は早退又は遅刻で来ていました。

しかし、幸いにも職場のチ-ムワ-クは一致団結していた為、彼が不在の時は皆で分担して仕事をしていました。誰ひとり文句を言う者はいませんでした。

全員が早く次の仕事が見つかって欲しいと願っていたからです。残念な事に契約終了時までに次の転職先はみつからず。一ヶ月の間で彼が外出したのは、私が知る限りで5回です。少なくとも5社の面接は受けていたと思います。そして彼が会社から居なくなり全員が心配していました。

万事休すの52歳に救いの手が差し伸べられる

そして奇跡が起きたのです。なんと私のいる会社の違う部署からオファーが来たのです。話を聞いた所、契約が終わった後も数え切れない程の面接に行ったけれど、年齢で落とされてしまい全く決まらなくてかなり病んでいたそうです。

そんなある日、私達の会社の別の部署の上司が彼の事を気にかけ、次が決まるまでの間だけ、うちの部署にいるか?と。生活がかかっていた彼の事を知っていた上司は特別な配慮をしてくれたそうです。

彼は生活の為に即座にお願い致しますと言ったそうです。何も決まらないより、少しの収入が入るだけでも有り難い。プライドなんか無いよ!生きていくので必死と笑いながら言っていましたが、本当に大変だったと思います。彼の素晴らしい所は、当たり前のようにその部署に居るという考えがなく、諦めずに転職活動をしていました。

そして数ヵ月後に無事に転職先が見つかりました。営業が大好きな方でしたので、不動産会社の営業に正社員として転職を成功させていました。本当に無事に決まり良かったと思いました。彼は常々このように述べていました。

あの時に救いの手を差し伸べてくれた上司に本当に感謝をしてい彼るという事。仕事が決まらずに自暴自棄になり、夫婦喧嘩も多くなり、全てが負の連鎖だったと彼は話していました。そして、英語ができないと言われた事が悔しかったと。何故なら、彼の卒業した大学は知らない人は居ないくらい有名な大学だったので、彼のプライドに傷がついたのでしょう。

でもそのお陰で新しい会社では英語を一生懸命と勉強しているみたいです。感心しました。若い内の転職はスキルアップや給料ともに経験の一つとなり、良かった事はたくさんあります。ですが、年齢を重ねるとなかなかそう上手くは行きません。そして生活がかかっていると尚更です。

彼は飲み会の度に、今の会社から採用通知が来た時に奥さんが泣き崩れた姿を見たら、もう転職はしないと心に誓ったそうです。

52歳という年齢で就職できた事は本当に凄い事だと思います。外資系会社にはたくさんの方々が働いています。ほとんどの方が転職経験者だと思います。その中でも彼は非常にまれなケ-スだったと思います。そして第三者からの立場で自身も色々と経験ができて良かったです。明日はわが身なんだなと感じました。

それでも彼の用に強い心を持ちプライドを押し殺し、生活の為に頑張るというハングリ-精神を勉強する事ができました。そして彼のような方はたくさん居ると思います。彼は本当にいつも私達と上司に対して、涙目で感謝の気持ちでいっぱいだと話します。

現在も新しい場所で頑張っているそうなので、我々も本当に嬉しい限りです。そしてみんなが助け合う気持ちがあったから、彼もまた転職を成功して輝かしい人生になったのだと思います。

更新されなかった52歳代契約社員の行方まとめ

雇い止めは契約社員にとって本当に辛い現実です。私も一度「 態度が気に入らない 」という不条理な理由で契約を打ち切られたことがあります。職場でお局達から虐められている新人女性がいたので、ついつい正義感を出してしまい、庇ってしまったのが原因でした。職場長も「 彼女たちには逆らえない 」となんとも情けない回答をされ後味が悪かったのを今でも覚えています。

できれば不条理な理由はやめて欲しいですね。

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