転職理由を考えるのって面倒ですよね?
だってほら、転職理由なんて人間関係か待遇に不満があったかの2拓なのに、「前向きな回答だ」「年齢は気にするな」だの制約が多すぎやしませんか?
長年様々な世代の転職理由を聞いてきましたが、やはり50代ともなればその悩みは切実。
50代の転職ともなれば、転職攻略本に載っている正攻法だけでは、いつまでたっても成功しません。
ですが転職理由は特にひねる必要もなく、ただ単に前向きな回答を述べる練習をしていただければいいのです。
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- 50代の転職理由は人間関係か待遇の不満
- 即戦力になれるエピソードを混ぜておく
- 転職理由を伝えるなら前向きさをアピール
目次
50代の転職理由は人間関係か待遇の不満の2択のみ
私たち採用担当者は、転職理由が人間関係か待遇の不満かいずれかなのは理解しています。
稀にキャリアアップしたかった、夢を実現したかったなんてポジティブすぎる転職理由がありますが、オーバースペックな人材だと誤解されると確実にお見送りです。
本音レベルで言えば、1%にも満たないハイクラスな人達ですよ。
ハイクラスの転職エージェントさん達が欲しくてたまらない、バリバリのキャリアを持っている50代ですよ。
でもそんな人達って、転職理由に何を話すかなんて悩みませんよね?
20代から60代までの転職理由ので最も多いのが、人間関係の不満。
もちろん、面接時に人間関係の不満を微塵でも口にすれば、お見送りは確実です。
私の面接は、圧迫するのではなくリラックスさせて、色々しゃべってもらうスタイルを取っていますが、リラックスしすぎたのか「俺が部長ならもっとうまくやった」とか「俺が社長だったら倒産することはなかった」と、他責的な話を始めてしまう50代がいるんですよね。
加えて言うなら、他責な50代は自然と偉そうな態度になってしまう方が多いのなんのって。
50代の転職理由で多いのは労働条件と仕事内容の不満
履歴書はもちろんのこと、転職理由も大いに盛られているのが転職あるあるですから、私達もそれを踏まえた上でどう答えるんだろうか?面接時の伝え方とかしぐさはどうなの?ってのが気になるんですよね。
厚生労働省が毎年行っている、平成27年度 雇用の構造に関する実態調査から自己都合による退職者の転職理由が浮き彫りになっています。
面接で必ず問われる転職理由、50代で最も多く特徴的なのは「賃金以外の労働条件が合わない」理由。
第1位:賃金以外の労働条件が合わない
50代で顕著に現れる特徴的な項目で、堂々1位の27.4%。40代までであれば賃金を含む待遇への不満が多いのに対して、賃金以外の労働条件を理由とするものです。
サラリーマンとして長年勤務してきたものの、ライフスタイルの変化により勤務体系や週休制、通勤時間や転勤などの諸条件が合わなくなってきたものと見ています。
また親の介護問題、その他の自身の健康状態の変化が大きく影響しているのは間違いありませんね。
親の介護問題であればもっともらしい理由になりますが、急に休まれることが想定できますので我々は敬遠してしまいます。
転職攻略本では、病歴・通院歴を書くよう指示していますが、病歴・通院歴はお見送りの大きなダメダメポイントです。
持病があるのならまだしも、完治しているのであれば面接でわざわざ答える必要はありません。
特にうつ病を患っている方は、病歴をカミングアウトしたがる傾向にありますが、面接に通過したいのであれば絶対に隠し通すべきです。
第2位:満足のいく仕事内容ではなかった
第2位は23.8%。燃え尽き症候群が多いのも、50代の特徴であります。
30代40代で大きな仕事を達成した満足感からか、今現在の仕事内容に納得できず不満に思っている50代が多いようですね。
どちらかと言えば、重要なプロジェクトは若手に譲って、育成する側にまわる年代でもあるため、もう一度表舞台に立ちたいと考える50代が多いことになります。
「この会社で何もせず定年を迎えるぐらいなら、他の会社でもう一度輝いてみたい」と前向きな転職を考えている人が多いのも、50代の特徴。
ここで勘違いをして、自分の城を持ちたいとフランチャイズ店長に憧れてしまう50代も多いのですが、所詮雇われです。
努力すれば私なら、ひょっとすれば自分程の実力があればと夢を見るでしょうが、昨今、人手不足でブラックだ爆弾営業だと騒がれているコンビニ経営は、大きな落とし穴です。
第2位:会社の人間関係に不満がある
同位タイ23.8%。
老若男女問わず生まれも育ちも違う人間が密集するところ、必ず発生するのが人間関係です。
50代ともなれば、あと10年か15年我慢すれば乗り切れるでしょうが、あまり我慢し過ぎると私のようにうつ病になって修復不可能になります。
人間はマウンティングする生き物なのでこじれるのは当たり前ですが、同僚が上司になったり、部下が上役になった時、心のスキマを埋めることは不可能に近いですよね?
プライドを取るか、プライドを捨てて窓際族で定年まで我慢するか究極の選択です。
だったら後10年我慢するぐらいならと転職に踏み切る50代が多いのですが、退職後の貯えや退職金の有無、最大限に貰えるタイミングをよく理解しておかないと、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔するハメに陥ります。
50代は転職理由に即戦力であるエピソードを交え話す
20代30代までであれば、転職理由に絡めるべきは、叶えたいこと重視ですが、50代ともなれば確実に即戦力に繋がるエピソードや意欲を混ぜるべき。
採用側がどういった人材を求めているのか把握するのはもちろんのこと、これまでのキャリアを棚卸して如何に自分が即戦力になれる人材かアピールすべき。
これが就職攻略本に載っている攻略法ですが、50代はこれだけでは物足りません。
40代50代がアピールしてくることは似たり寄ったりで、全く印象に残らないんですよね。
大きなプロジェクトを成功させたとか、売り上げを2倍にしたとか。
ええ、もちろんある程度は盛られたストーリーだと分かっていますが数字以外のインパクトに欠けるんですよね。
大きな数字をアピールされても、私はあなたがいた企業や環境が分からないんですから。
元々巨大な金を動かせる環境だったのか?苦労して決裁もらって動かした金なのか?そういう背景が見えないから面白みに欠けるんですよね。
その際役に立つのが、ストリーティリング。
後述しますが、職歴のクライマックスをストーリー風に語る手法。50代の転職は正攻法では決してうまくいきませんから、古典的な技を多用する必要があるんですよね。
50代が転職理由を伝える時の注意点はとにかく前向き
私達面接官が50代に転職理由を聞く理由は、
- うちの職場でも馴染めず辞めるんじゃないか?
- 不平ばかりをこぼす人材ではなかろうか?
- 人間関係に弱く耐性がない人なんじゃないか?
と疑っています。もちろん50代だけでなく、20代であっても30代・40代でも真意は同じです。
声のトーンやしぐさが横柄上から目線の人
本人は気付かないかもしれませんが、50代の転職者は横柄な態度を取る方が非常に多いです。
私自身、面接の場で少し嫌な質問を投げかけたりしますが、「若造のお前に何が分かる?」「お前は何様だ?神様か?」って逆上する人が多いんですよね。
いやいや、そんな作り話と笑っているでしょうが、上から目線で「私ならこうする」「私が入社したあかつきには、こういう方針で行く」とまるで私の上司になったような態度を取る方が跡を絶ちません。
元上場企業出身、元部長、元課長などの役職が付いていた人に見られる顕著な特徴ですが即お見送り。
私達はあなたの元役職には何ら興味はありません。
次に多いのが、大きなこと言う人とウソをついた瞬間何らかのしぐさが出てしまう人。
特にウソをつく瞬間に何らかのクセが出てしまう人は即刻直すべきです。
パートナーやキャリアコンサルタントに模擬面接してもらうか、自分で鏡に向かって練習するか何らかの対策を取るべきです。もちろん、いずれの場合も録画は必須ですよ。
とにかく悲観的で後ろ向きな人
他責傾向のある人で、終始自分が不幸な立場に置かれた原因は、上司にある同僚にある会社の経営にあると不満をぶちまける人です。
本当は自分にも実力があるのに、運がないだの世間が悪いだの始めてしまう人は即刻お帰りいただいています。
他責はさておき、ウソでもいいから前向きな回答をするよう矯正してください。
万が一、他責理由を述べても採用されてしまったら、そこは間違いなくブラック企業です。
協調性がないまたは合わせられない人
我々中高年が転職市場で敬遠される理由が、協調性がない人材と見られていることにあります。
特に、頑固で意見を曲げない50代は、自分の意見こそ正しく人に意見には耳を傾けず協調性がない人が多いですね。
これも、元上場企業出身、元部長、元課長などの役職に見られる顕著な特徴ですが、少しでも柔軟な対応をしてくれればいいものの、全く耳を貸さないタイプの人は多い。
推測するに、「履歴書類は素晴らしいのに、一生面接には受からないんだろう」なと少し残念に思うわけです。
採用過程における特別な面接であることを忘れ、とにかく主張に次ぐ主張。果ては真っ赤な顔して「あなた(私)がハイハイしてた頃から俺は働いている」と意味不明なマウンティングを始めちゃう人も。
面接はもちろん全てのサービスを無料で受けることができます。
使わない手はありませんよね?
50代の転職理由は即戦力で前向きさも重要まとめ
最後に要点をまとめておきます。
- 転職理由は人間関係or待遇への不満しかない
- 50代の転職理由で多いのが仕事への不満
- 50代は転職理由に即戦力であるエピソードを交える
- 前向きさが転職理由を伝えるシーンのテクニック
私も40代でリストラされて転職活動した際、20代の面接官に「お前に俺の何が分かる!」と憤慨しそうになりました。
向こうは向こうで、私の反応を見るべく怒りそうな質問を投げかけてきたんですよね。
気持ちは分かりますが、お互い平静を装い前向きさを伝える訓練をしていきましょうね。
面接はもちろん全てのサービスを無料で受けることができます。
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